痛風

痛風の方へ
血液中の尿酸値が高い状態が続くと、足の親指などの関節に尿酸の結晶がたまり、突然強い炎症を起こします。発作的な痛みの症状がおこるため、痛風発作と呼ばれています。発作が続くと足首や膝の関節までも痛み始め、発作の間隔が次第に短くなり、関節を破壊していきます。
30代、40代男性での発症が多い病気です。

痛風の原因
痛風の原因は血液中の尿酸値が上がるために起こります。プリン体という食べ物に含まれている物質を多くとると、血液中の尿酸値が上がります。痛風発作の原因は、尿酸の結晶に対して、白血球が反応し炎症をおこすためです。
(プリン体の多い食事・尿酸値が上がりやすい食事)
肉料理(牛ひれステーキ、豚ロース)・レバー・もつ・あん肝・白子・ビール・かつおの切り身・まぐろ・いか・たこ・海老・カニ・さんま・秋刀魚や真アジの干物・魚卵 などなど
痛風の検査
血液検査で血液中の尿酸値が7mg/dl以上かどうか調べます。痛風発作中の炎症が強い時には、尿酸値がやや下がる傾向がありますので、炎症がある 程度治まってから検査をしないと、わからないこともあります。炎症の程度や、腎臓の障害の有無なども、血液検査で調べます。安定していたら、通常は3ヶ月 に1度血液検査をします。高尿酸血症の原因が産生過剰か排泄低下を調べるため、尿中の尿酸排泄量を調べることもあります。
痛風の診断
痛風の診断は、痛風の発作中の関節の中に尿酸の結晶があることを証明することで確定しますが、痛風の症状は特徴的なので、通常は症状や経過で診断します。
- ひとつの関節だけに症状がある。
- 関節が赤く腫れている。
- 症状が出てから1日以内にピ-クになる。
- 同じような症状が以前にもあったことがある。
片足の親指の付け根または足首の関節に炎症があり、赤く腫れていて激痛がある。 - 血液検査で尿酸値が高い。
痛風の治療法
痛風の治療法は食事療法(プリン体の多い食事を減らす、尿酸生成をする食事を減らす)と薬物療法が中心になります。
生活のうえで心がけること
■食事療法
- プリン体の比較的少ない食事をとるように心がける。
鶏肉ささ身、鮭、ウインナーソーセージ、干し椎茸、納豆、かまぼこ、精白米、えのきだけ、海藻類、野菜
- 野菜を多く摂りましょう
野菜、海藻類は低エネルギーでプリン体も少ないので1日300gを目安に生野菜、温野菜とも積極的に摂取しましょう。
- アルコールをひかえましょう
アルコール自体が血液中の尿酸値を上げる原因になります。ビールはとくにプリン体を多く含みます。おつまみとなる海産物の珍味などはプリン体を多く含みますので控えてください。
- 調理でプリン体を減らしましょう
プリン体は水に溶けやすく、油で溶けにくいので茹でることで減らすことが出来ます。ただし魚や肉などのスープや焼肉の肉汁、ソースは残すこと。
- 水分を多く取りましょう
尿量の増加は血液中の尿酸濃度を低下させるのに有効。腎臓、心臓病がなければ水分を十分にとりましょう。
- 摂取エネルギーを制限しましょう
肥満は、痛風だけでなく生活習慣病に対しても危険因子となりますので軽いジョギングや早歩きなどをして肥満の解消を心がけてください。
■薬物療法
生活改善のみで効果が乏しい場合は、薬物療法の適応となります。
- 尿酸の排泄をよくする尿酸排泄促進薬
- 尿酸の生成を抑える尿酸生成阻害薬
- 尿をアルカリ化して尿酸結石を防ぐ尿アルカリ化薬
- 発作や予防に対して行う発作治療薬
- 発作に対して使用する非ステロイド消炎鎮痛薬 など
痛風は、状態により、前兆時、発作時、間欠期に分けられ、時期と状態に応じて上記の薬を使い分けます。